子どもの爪が割れる・めくれるときは?爪甲層状分裂と正しい切り方
子どもの爪が割れる・めくれるときは?爪甲層状分裂と正しい切り方
「爪の先が折れる」「表面が薄くめくれる」「横が引っかかる」というご相談は、乳幼児では珍しくありません。
子どもの爪は大人より薄くてやわらかいため、裸足で床に触れたり、遊びの中でこすれたりすると、先端が層状に分かれることがあります。これを爪甲層状分裂(そうこうそうじょうぶんれつ)と呼びます。
多くは一時的な変化です。無理にはがさず、引っかかる部分だけを整えて、新しい爪が伸びるのを待ちましょう。
爪甲層状分裂とは?
爪甲層状分裂とは、爪の先端が薄い層に分かれ、めくれたり欠けたりする状態です。
乳幼児250人を調べた海外の外来研究では、爪甲層状分裂は最も多くみられた爪の変化の一つで、6人(2.4%)に認められました。ただし、これは一般人口ではなく、小児科・皮膚科を受診した乳幼児の調査です。
爪が根元から浮いてくる「爪甲剥離」とは異なります。
めくれた爪はどうすればよい?
家庭では、次のようにケアしてください。
完全に浮いて引っかかる部分だけを、清潔な爪切りで少し切る
まだつながっている爪は、引っ張ったりむいたりしない
尖った部分は、細かい爪ヤスリでなめらかにする
入浴後などに、爪と爪の周囲へワセリンなどを薄く塗る
爪の横を深く切り込まない
めくれた部分を全部切ろうとすると深爪になり、痛みや出血、爪周囲炎の原因になります。
手も足も「スクエアカット」が基本です
手の爪も足の爪も、基本的な切り方は同じです。
白い部分を約1mm残す
爪の先端を直線に切る
ヤスリで尖った角だけを少し丸める
白い部分をすべて切り落としたり、両端を深く切ったりしないことが大切です。爪の横を深く切ると、陥入爪や爪周囲炎につながることがあります。
保育園や家庭で裸足でも大丈夫?
裸足そのものが悪いわけではありません。ただし、薄い爪の同じ場所に摩擦が繰り返しかかると、先端がめくれたり折れたりしやすくなります。
同じ爪が何度も引っかかる、出血する、痛がる場合は、保育園と相談して一時的に靴下を使用するなど、摩擦を減らす工夫を検討します。
次のような場合は受診してください
爪の周囲が赤く腫れている
痛み、膿、出血がある
歩くと痛がる
爪が皮膚に食い込んでいる
爪が根元から変形・変色している
多くの爪に変化があり、長く続いている
皮膚、髪、歯にも気になる変化がある
陥入爪や爪周囲炎は、爪の形や指の形などによって起こりやすいお子さんもいます。当院では状態に応じて、切り方の調整やテーピングによる治療・指導を行います。
まとめ
子どもの薄い爪が先端からめくれる場合は、爪甲層状分裂の可能性があります。
無理にはがさない・引っかかりだけを整える・深爪にしないの3点が大切です。赤み、腫れ、痛み、膿などがある場合は、早めにご相談ください。
参考文献
Nail alterations in 250 infant patients: a clinical study(PubMed)
American Academy of Pediatrics:How to trim your baby’s fingernails
この記事を書いた医師
宮原 篤
かるがもクリニック院長/小児科医
2011年から世田谷区・千歳船橋で小児科診療を行っています。一般小児科のほか、予防接種、乳幼児健診、アレルギー、子どもの発達など、日常のさまざまな相談に対応しています。
学会・医会では、予防接種や公衆衛生に関する活動に携わり、保護者向け・医療者向けの書籍や記事も執筆しています。診療で実際によく受ける質問をもとに、保護者の方が判断しやすい、正確で実用的な医療情報を発信しています。
主な所属・役職
VPDの会 理事
東京都医師会予防接種・感染症委員会 副委員長
日本小児科医会 公衆衛生委員会
東京小児科医会 公衆衛生部
主な執筆・専門分野
小児科一般/予防接種/乳幼児健診/アレルギー/子どもの発達

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