日本脳炎・おたふくワクチンの優先接種のお願い

お願い

 誠に心苦しいのですが、当面の間日本脳炎ワクチンとおたふくワクチンの接種で優先順位をつけさせていただきます。かかりつけ医で該当ワクチン未接種のお子さんを最優先にします。

理由

 日本脳炎ワクチンおよびおたふくワクチンの供給量が逼迫しているからです。製造トラブルなどで一時的に出荷停止になっているためです。
 卸から配られるワクチンは本当に少ないです。4月分は当初、3月の1/5程度でした。

 そしてこれは当院だけではなく、他の施設も同じことでしょう(「買い占め」によるしわ寄せが来ているのかは不明です)。
 更に当院は渡航医学も行っており、東南アジアなどに行く方々にも日本脳炎ワクチンを接種しているのですが、渡航用に加配されることもありません。

対策

 そのため、当面の間はかかりつけ医で未接種のお子さんを最優先にしたいです。
 日本脳炎ワクチン・おたふくワクチンご希望の方は、ネット予約ではなくお電話でお願いします。そのときにかかりつけ医かどうかも確認させてください(かかりつけ医ご希望の方は、受診の上登録してからお願いします)。

 また、かかりつけ医でない場合でも、以下の方はご相談ください(日本脳炎ワクチン)。

  • 7歳半が近づいている方で、3回目の接種が終わっていない方 (7歳半~9歳では接種を受けられないため。)
  • 12歳の方で、4回目の接種が終わっていない方 (13歳以上では接種を受けられないため。)
  • 高3~19歳の方で、4回目の接種が終わっていない方 (過去に接種できなかった時期があったことから、2007年4月1日までに生まれた方は、20歳未満が定期接種の対象となっていますが、20歳以上では接種を受けられないため。)

 なお、渡航で日本脳炎ワクチンを使う場合、成人の方は原則として輸入ワクチンでの接種をお願いします。

予約についての注意

 予約変更はかならずお電話でお願いします。無断キャンセルの場合は、予約が無効になります。

付言

 これらの事例は日本のワクチンメーカーだけでは、供給が安定しないことを物語っていると思います。日本ではMRワクチン(定期:麻疹・風疹)とおたふくワクチン(任意)と別れていますが、世界ではMMRワクチン(麻疹・おたふく・風疹混合ワクチン)がデファクトスタンダードであり、安全性も証明されています。日本では歴史的背景があるためか、MMRワクチンは未だに導入されていません。そのため、日本で麻疹・風疹がはやり需要が増えると、あっというまに子どもたちに接種するMRワクチンが足りなくなってしまいました。

 4種混合ワクチンのうち「スクエアキッズ」も販売中止となりました。

 ワクチン製造メーカーによっては特定地域での製造が集中しているため、地震などの災害で製造できなくなったこともあります。

 国が責任を持って、日本のワクチンメーカーも体力をつけさせるか海外産ワクチンの輸入を行わないと、同じことは何度か繰り返されることでしょう。