小児肺炎球菌ワクチン(プレベナー13)の補助的追加接種

今年の11月から新しい13価の小児肺炎球菌ワクチン(プレベナー13)が日本でも発売されました。幸いなことに、供給量は今のところ順調なようです。

 今までの7価の小児肺炎球菌ワクチン(プレベナー)との切替方法については、以前お話したとおりです。問題は、今までのプレベナーで4回目を終えてしまった人たちです。

初回 初回 初回 追加接種
1回目2回目3回目
標準月齢・接種間隔2ヵ月1回目から27日以上の間隔をおいて2回目から27日以上の間隔をおいて12~15ヵ月
未接種者プレベナー13プレベナー13プレベナー13プレベナー13
1回接種者プレベナープレベナー13プレベナー13プレベナー13
2回接種者プレベナープレベナープレベナー13プレベナー13
初回接種完了者プレベナープレベナープレベナープレベナー13
PCV7接種完了者プレベナープレベナープレベナープレベナー

 上記は厚生労働省のサイトからの引用です。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_haienkyuukin.html#Q08

 これではこれ迄のプレベナーを接種完了すれば、もう終了のように思えてしまいます。本来であれば、従前のプレベナーを接種終了後8週以上あけて、プレベナー13を接種することが望ましいです。これを、補助的追加接種といいます。6歳未満が対象です。

初回 初回 初回 追加接種補助的追加接種
1回目2回目3回目
標準月齢・接種間隔2ヵ月1回目から27日以上の間隔をおいて2回目から27日以上の間隔をおいて12~15ヵ月追加接種から8週以上開けて
未接種者プレベナー13プレベナー13プレベナー13プレベナー13
1回接種者プレベナープレベナー13プレベナー13プレベナー13
2回接種者プレベナープレベナープレベナー13プレベナー13
初回接種完了者プレベナープレベナープレベナープレベナー13
PCV7接種完了者プレベナープレベナープレベナープレベナープレベナー13

 VPDの会からのコメントを引用しておきます(強調は当院)。

小児用肺炎球菌ワクチンが7価から13価に切り替わります

次は、すでに7価ワクチンの必要回数(標準的なスケジュールでは4回)を受け終わった子どもがどうすればよいかです。13価ワクチンならば防げる菌株(19Aなど)による重い肺炎球菌の病気に、数は多くはありませんが、1歳半以上の子どもたちがかかっています。そのため米国では7価ワクチンの接種が完了した方、具体的には生後14か月から59か月の子どもたちを対象に、13価ワクチンの追加接種(=補助的追加接種と言います)を1回、原則無料で行っております。

しかし日本は子どものために国のお金をかけない、子どもの予防接種に予算をつけない国です。このような子どもを愛さない国であるために、補助的追加接種は定期接種では行われません。希望者は、あくまでも任意接種ワクチンとして、接種費用を負担して13価ワクチンを受けることは可能です。子どもたちのために補助的追加接種を強くお勧め致します。詳しくは主治医とご相談ください。

 渋谷区などでは小児肺炎球菌ワクチンの補助的追加接種にたいして区の助成がありますが、世田谷では行われておらず全額自費になります。

 プレベナー13は日本の治験でもコストが掛かったと聞いています。自治体予算の関係も有り来年3月までのプレベナー13の値段は今までのプレベナーと変わりありませんが、来年4月から値上げの予定ということです。

 よろしくお願いします。

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