風しんが流行っています-迷ったらワクチンを
風しんが増えています
風しんが流行っています。去年の7月頃から増えていますが、現在も増えている状況です。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
20才以上の男性の発症例が多いです。これは以前も書いたように、今まで男性に風疹ワクチンをして来なかった「つけ」です。
先天性風疹症候群
風しん自体も稀に脳炎を合併することもありますが、風しんで怖いのは先天性風疹症候群(CRS)です。妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児に悪い影響がでることがあります。
ややこしいことに、妊婦にワクチン接種歴や自然感染歴があり抗体が十分にあっても、風しんは再感染することがあります。パートナーや子どもたち(つまり胎児にとって兄・姉)が感染源になるからです。
更にややこしいことに、再感染の場合は母体には症状がなくても胎児にだけ影響が出ることもあるのです。
母体の再感染による先天性風疹症候群 -自験例と日本における23症例の検討-
風しんワクチン(MRワクチン)について
挙児を希望するカップルは、早めに感染歴・ワクチン接種歴を調べたほうがいいと思います。感染歴・ワクチン歴が無い・若しくは不明という場合は、積極的にワクチンを受けたほうがいいでしょう。
抗体価を調べてからワクチン接種をしたいという方もいますが、抗体価を調べる間は風しんに罹らないという保証はありません。風疹の抗体がある状態で風疹ワクチンを接種しても過剰免疫になるということはありません。
風疹ワクチンは生ワクチンなので、妊娠中は禁忌ですし接種後は二ヶ月の避妊をお願いしています(女性のみで、男性は関係ないです)。接種後妊娠が発覚した場合、胎児に悪い影響が出たということは疫学上否定されています。不明な点はお問い合わせ下さい。
また、麻疹(はしか)の感染歴・ワクチン歴が不明な場合、風しんワクチンではなくMRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)の接種をオススメします。妊娠中に麻しんにかかると、早産・流産の原因にもなります。
MRワクチン3・4期について
MRワクチンを中学1年生(3期)、高校3年生(4期)で接種するのは今年の3月までの時限措置です。行政が接種を呼びかけていますが、接種率が低いのが現状です。
来年度も3・4期の継続を望む人もいますが、年齢にかぎらず風しんワクチン(またはMRワクチン)を定期接種として接種できる(キャッチアップ)システムが必要だと思います。
おまけ
昔書いたブログです。よろしかったら、御覧ください。
麻疹単独ワクチン-鏡と甲子園と障害者の生まれない権利
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