代替医療の光と闇ー魔法を信じるかい?ー
先日献本を頂きました。
翻訳者のナカイサヤカさんから現行のチェックを依頼されていたのが、届きました。頑張って原著を2回読みなおした甲斐がありました。
本の内容は皆様に読んでいただくとして、すこしこぼれ話を書いていこうと思います。
作者のポール・オフィット医師について
アメリカの小児科医です。あまりにも大雑把な言い方ですが、ACIPのメンバーであり、現在市販されてる2つのロタワクチンの一つであるロタテックの開発者、という説明ならばピンとくる小児科医も多いと思います。
多数の論文もさることながら、一般向けのワクチン・代替医療の本も精力的に書いています。MMRワクチン(チメロサール)による自閉症も否定しており、この説を支持するアンチワクチンな方からはボロクソに言われています。
英語版Wikipediaで彼の評判(Reception)を覗き込んでみると、引用に耐えない言葉が並んでおります。
日本でも2002年にポール・オフィット医師の本が翻訳されましたが、この度13年ぶりに翻訳本が出ることになりました。
個人的には、2010年にアメリカで出版された「死に至る選択(Deadly Choices: How the Anti-Vaccine Movement Threatens Us All)」も好きです。ロタワクチンのところが少し古いですが、アンチワクチンの歴史がよくわかります。
本の中で出てくる代替医療を支持する「医師」やセレブについて
医師と言っても、オステオパシーの医師だったりすることもあります。あまり日本では知られていない名前も多いです。索引で英語名がわかりますので、検索してみてください。名前を冠したサイトが事実上サプリのネットショップになっている場合もあります。
「魔法を信じるかい?」
この本の原題は「Do You Believe in Magic?: The Sense and Nonsense of Alternative Medicine」です。ちなみに"Do you believe in magic?"はラヴィン・スプーンフルThe Lovin' Spoonfulというバンドが1965年に発表した曲です。何度かカバーされており海外では比較的有名なので、ほんのタイトルでこの曲を思い出した人は多いのでしょう。
ただし日本では馴染みの薄い人も多く、邦訳だと「魔法を信じる会」と間違える人も多そうだったので、副題に移したそうです。
銀河ヒッチハイク・ガイド
本の最後の方にちらりと出てきます。これは本格的SFの題です。「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えは42」で有名です。映画もあります。
よくわかったでしょ?
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