臍ヘルニア治療(でべそ)

 最近、当院では赤ちゃんの臍ヘルニア(でべそ)に関する相談が増えています。このため、臍ヘルニアについての当院のアプローチを再度ご説明します。

 赤ちゃんが生まれた後、へその緒が取れると通常はその「穴」は自然に塞がります。しかし、一部の赤ちゃんでは穴が塞がらず、お腹の内容物(主に腸)が飛び出すことがあります。これを「臍ヘルニア」と呼びます。

 臍ヘルニアは多くの場合、特に問題なく自然に小さくなりますが、大きな臍ヘルニアの場合、見た目に影響が出ることがあります。

 日本では臍ヘルニアの治療法として「圧迫療法」が普及しています。これは元々、九州大学小児外科教授の大塩猛人先生によって開発されました。当院では大塩先生が指摘するように、「治療の基本は圧迫療法ではなく整復固定法である」という方針で治療を行っています。

 治療のデメリットとして、臍ヘルニアのタイプによっては治療が難しいケースもあること、またテープや防水フィルムで臍ヘルニアを固定するため、赤ちゃんや季節によっては皮膚がかぶれるリスクがあることが挙げられます。

 基本的には、早期に治療を開始するほど良い結果が期待できます。遅くとも生後6ヶ月までにご相談いただくことをお勧めします。