夏の皮膚トラブル

 夏になるとお子さんの皮膚トラブルでご相談を受けることが多いので、少しまとめてみました。

紫外線対策

 お子さんの場合、使うのであれば紫外線散乱剤などの低刺激のものでお願いします。日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にしましょう。

日本小児皮膚科学会のお知らせもご覧ください。

こどもの紫外線対策について
http://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html

虫刺され

 一般的にお子さんの虫刺されは遅延型反応といい、刺されてから数時間から翌日に反応します。即時型反応とは違い、腫れやかゆみが強いのが特徴です。掻きむしりすぎると傷ができて、飛び火などの感染症を起こしやすくなります。痒みが強ければステロイド外用薬が必要になることもあります。また、爪が長い場合は適時切りましょう。切る場合は爪先を中心に切ってください。端を切りすぎると深爪になりやすいです。

虫除け対策

 一般的に効果のある虫除け対策は、ディートかイカリジンになります。日本ではディートには小児への使用制限があり、イカリジンのほうが使いやすいかもしれません。効果は6-8時間程度です。日焼け止め→虫よけ剤の順で塗ってください。

キャンプ・山などでは

 紫外線も強く、またイカリジンには効果のない虫(ツツガムシやサシバエ)もいるかも知れません。必要に応じてディートを使いましょう。

マダニ対策

 山や草むらではマダニに噛まれる可能性があります。かゆいだけではなく、様々な病原体を媒介するのも特徴です。基本的には刺されないようにするしかありません。イカリジンもディートも有効です。
 噛まれたら無理に外そうとするとマダニの体液が体に入り色々と感染することもあります。外科的切除が好ましいです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html
 別件ですが、マダニに噛まれ続けるとと、肉アレルギーを引き起こすこともあります。ご注意を。

旅行でのトコジラミ対策

 トコジラミも日本で増えつつあります。非常にかゆいのが特徴です。ディートやイカリジンも予防対策の一つです。
 また、トコジラミは駆除が非常に難しく、「持ち込ませない」「持ち込まない」必要があります。旅行などでは、カバンなどを寝具に置かないことが必要です。ホテルによってはカバンを置く台があります。また、トコジラミはツルツルしたところでは動けないので、カバンの下にビニールシートなどを置くのも良いです。
 トコジラミは明かりも嫌うので、明かりをつけたたままのバスルームにカバンを置くのも、よりよいでしょう。