生後2ヶ月になったら、ワクチンデビュー
お母さんからの免疫は、だんだんと無くなってしまう
生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんからの免疫があり(移行抗体)ます。しかし、出生後暫く経つと移行抗体が段々と下がってきます。大抵の場合、生後6ヶ月経つと移行抗体(受動免疫)も無くなってしまいます。
生後2ヶ月になったら早めにワクチンデビュー
受動免疫が無くなる前に、早めに免疫を付ける必要があります。そのため、多くのワクチンが接種できる生後2ヶ月になったら早めにワクチンをしましょう(病院や医学的理由によっては生後すぐや一ヶ月健診などでB型肝炎ワクチンを接種します)。
ヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンで赤ちゃんの髄膜炎が激減
ホンの十数年前まで海外などで赤ちゃんの髄膜炎が激減するなか、日本では中々減らず、赤ちゃんが髄膜炎で命を落としたり後遺症を残したりする例が少なからずありました。それは、日本でヒブワクチン・小児肺炎球菌ワクチンの導入が異常なまでに遅れたからです。
同時接種は安全
少し前に「赤ちゃんが同時接種で死亡」と報道がありました。正確には「赤ちゃんが同時接種後に死亡」です。前者は因果関係が含まれますが、後者は前後関係のみです。日本では年間150人前後の原因不明の乳児突然死症候群があります。両親が禁煙をする、うつぶせ寝をやめるなどすることで、乳児突然死症候群を減らせることが出来ます。同時接種をすることで、乳児突然死症候群を減らせるという報告もあります
(「赤ちゃんが両親の喫煙で死亡」という事象は、ニュースになりませんね)。
同時接種をしても、副反応率が上がるということは有りません。確かに小児肺炎球菌ワクチンは比較的発熱しやすいワクチンでありますが、これは単独接種でも同時接種でも同じことです。
短期間に多くの感染症に対して免疫を付けさせるためには、同時接種が不可欠です。
同時接種はかわいそう?
同時接種は赤ちゃんが痛そうで可哀想だという意見もあります。たしかに、泣いている赤ちゃんを見るのは辛いことでしょう。しかし、単独接種でも同時接種でも赤ちゃんが受けるストレスは変わらないという報告もあります。同時接種で一番ストレスを受けているのは、保護者なのでしょう。しかし、同時接種は赤ちゃんのためなのです。
混合ワクチンについて
日本では四種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳・不活化ポリオ)ワクチンですが、海外では六種混合(四種・ヒブ・B型肝炎)があり、乳児に必要なワクチンでロタ・BCG以外はこれで済んでしまいます。今後B型肝炎も定期接種化されるなか、早めの導入を望みます。
ワクチンデビューでは時間を掛けて説明します
ワクチンデビューでは予約枠を少し多めに取り、パンフレット等もお渡しして時間を掛けて説明するようにしています。ご予約はお早めにお願いします。ご質問などありましたら、予約時にでもお伝え下さい。
具体的な内容は、こちらをご覧ください。
参考サイト
- 「ワクチンデビューは、生後2ヶ月の誕生日」(VPDの会)
- 『同時接種で逆に死者が減るということをご存知ですか?』(香里ヶ丘有恵会病院小児科:PDF)
- あのクソッタレに報いあらん事を(新小児科医のつぶやき:同時接種を拒否した医者のツケを押し付けられた小児科医のブログです。お疲れ様です)
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