*もし、このページを紹介する際には http://www.karugamo-cl.jp/fwd3/IPV を利用すると分かりやすいと思います。
不活化ポリオワクチンの定期接種化について
平成24年9月1日から、ソーク株不活化ポリオワクチンが定期接種として導入されます(イモバックスポリオ皮下注)!!
以前から輸入不活化ポリオワクチンをお使いの方もいらっしゃいます。また、新しく導入されるスケジュール(初回免疫では20-56日間隔)と異なることもあるため、混乱する方もいらっしゃると思います。
当面の間(3年程度)に限り、8週以上の間隔をおいて接種しても定期接種とみなされますので、3回目の接種間隔がかなり開いている方も定期接種としてイモバックスポリオ皮下注が接種できます。
逆に、11月に販売される予定の四種混合(セービン株不活化ポリオワクチン+従前の三種混合ワクチン)には、そのような特例はありません。よって、前回接種(三種混合や輸入不活化ポリオワクチン)から57日以上経ってしまうと、風邪を引いていたなどの医学的理由がなければ定期接種として認められない可能性があります。
つまり接種該当年齢のお子さんには、四種混合ワクチンを待つこと無く粛々と不活化ポリオワクチン+三種混合ワクチンでの接種をお願いします。
世田谷区での不活化ポリオワクチン予診票配布について
世田谷区での生ポリオワクチン接種率を示します。
接種率 | |
---|---|
平成21年 | 93.3% |
平成22年 | 81.2% |
平成23年 | 63.4% |
平成24年(春) | 36%(!!) |
平成22年から明らかに接種率が低下しています。世田谷区では、接種率は把握できても誰が生ポリオワクチンを接種していないかわからないため、
平成20年11月生まれ~24年6月生まれの方につきましては、全員に、8月下旬に「不活化ポリオワクチン」の接種票をお送りします。(9月1日からポリオ定期予防接種が変わりますより引用)
}}おおよそ2万6千人になります。
そのため、生ポリオワクチン2回接種済みの方にも予診票は送られてきます。この場合、不活化ポリオワクチンを公費で接種することはできません。
しかし国際的に見れば、生ポリオワクチン3回以上、不活化ポリオワクチンでは(生ポリオワクチンと組み合わせて)4回以上で、接種完了です。今の日本で接種を急ぐ必要はありませんが、今後海外渡航(仕事・留学・イスラム教のハッジ)などで追加接種を求められることがあります。また、旅行形態によっては、生ポリオワクチンが望ましい場合もあります。ご相談ください。
厚生労働省検疫所:メッカの巡礼の時期にサウジアラビアへ渡航される方へ
公費接種問診票での回数の書き方(世田谷区の場合)
世田谷区の問診票の書き方で、多少混乱があります。
公費接種としての回数を書けばいいのか、実際の接種回数を書けばいいのか、悩むところです。
- 生・不活化ともに未接種の場合:1回目に○
- 生1不活化0/生0不活化1の場合:2回目に○
- 生1不活化1/生0不活化2の場合:3回目に○
通常ならば、これで問題はないと思います。
不活化ポリオワクチンの追加接種については現在のところ認可が降りていませんが、渡航などの場合で早めに不活化ポリオワクチンの追加接種が必要な場合は、ご相談ください。
追加接種(4回目)はいつ接種する?
自費または海外で不活化ポリオワクチンを接種していた場合は、すでに3回目になっている方もいると思います。国の指針では、追加接種は初回接種(3回)完了から半年以上あけてとなっています。
ただし、不活化ポリオワクチンを採用している多くの国々では、4歳以降に少なくとも一回は再接種をしています。
日本でも4歳以降の再接種が公費接種として認められると思います(ならないと困ります)。今のところ考えられる方法は、
- 国のとおりに追加接種をした後、4歳以降に再接種
- 4歳まで待って、再接種(当院でこれまでおすすめしてきた)
のどちらかになります。
まだ不活化ポリオワクチンの追加接種の認可が降りておらず、行政的に後者ができるか不明なところがあります。個人的には4歳以降四種混合ワクチンを再接種すればいいかと思おいますが、これが定期接種として組み入れられるかは不明です。
情勢が分かり次第、改めてアナウンスします。
参考リンク
- ふたばクリニック:不活化ポリオワクチン導入開始(2012.09)
- 世田谷区:9月1日からポリオ定期予防接種が変わります
やや専門的な話題
#accordion{{
*ポリオワクチンとは?
最近、色々なメディアで取り上げられるようになりました。
多少古いところもありますが、私のブログもご覧ください。ポリオワクチンに関する交通案内
また、千葉県立佐原病院のファイルも参考になります(PDF)。
『知ろう!小児医療 守ろう! 子ども達』の会の依頼を受けて、不活化ポリオワクチンの記事を書きました。
- no. 1
- no. 2
*ポリオワクチンは8回接種できる? (追加接種を公費の初回接種とする方法)
厚生労働省のサイトにある不活化ポリオワクチン導入に関する質疑応答について 平成24年6月1日の質問番号33について次のような記載があります。
-質問内容:生ポリオワクチンの接種を避け、すでに任意で不活化ポリオワクチンを1-4回接種されている方もいる。これまでの情報では、任意接種もカウントした上で不足する回数を接種することになっているが、保護者がどうしてもと希望された場合は、法令で定める対象年齢の間であれば、また1回から定期接種として実施しても差し支えないのか。
-回答:医師の判断と保護者の同意があれば、国内未承認のワクチンは定期接種として数えず、不活化ポリオワクチンを定期接種として4回受けることは可能である。
この回答は、日本の合法的に居住している3-90月の小児であれば、4回の不活化ポリオワクチンを接種する権利を有している(生ポリオワクチン接種者は別)と解釈するものだとおもいます。例えば輸入不活化ポリオワクチン3回してあれば、公費的には初回一回として追加接種することも可能ということです。
医学的合理性のない接種(輸入4回+公費接種4回)を奨励するものではありません。
* 今後のポリオワクチン接種について(私案)
これは、不活化ポリオワクチンが公費接種になる前にまとめたものです。
このままポリオワクチンの接種率が低下が続けば、日本でポリオが流行する可能性は否定出来ないのです。 引き続きポリオワクチン接種をお願いします。
また、四種混合ワクチン待ちのために三種混合を控えるのもやめてください。赤ちゃんの百日咳は怖いのです。
ツイッターでまとめを作りましたので、ご覧下さい。
2012年不活化ポリオワクチンが定期になる予定ですが(外部)
*関係サイト
- ポリオの会
- たからぎ医院:不活化ポリオワクチンのFAQ一覧
- 横浜市衛生研究所:ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)について
a:30460 t:2 y:2
2017-03-04 (土) 12:40:31